個人事業主やフリーランスとして仕事用の椅子を買っても、耐用年数で割るのか全額を経費にしてよいのかは、椅子の値段を見るまで決まりません。
「耐用年数は8年」「いや15年」と書かれた記事が並び、何年で割ればいいのか決めにくいところです。
ところが国税庁の案内を読むと、10万円未満の椅子なら耐用年数は使いません。
先に結論を言うと、オフィスチェアの経費の入れ方は値段で3通りに分かれ、耐用年数を使うのは10万円以上の椅子だけです。
しかも青色申告の個人事業主なら、2026年4月1日以降に買った40万円未満の椅子は、使い始めた年に一度に経費にできる特例があります。
チェアコンパス編集部は、在宅ワークやオフィスチェア選びで迷う人に向けて、メーカー公式情報、正規販売店の商品ページ、公的機関の公開情報を確認しながら、価格・保証・サイズ・販売元の見方を整理しています。
この記事では、ハーマンミラー公式の保証情報と販売元の表記を確認し、広告・アフィリエイト表記については消費者庁の景品表示法関連情報、製品安全やリコール確認ではNITEや消費者庁リコール情報サイトも参照できるようにしています。
身体の不調改善を保証する目的ではなく、購入前に確認したい仕様・保証・販売条件を整理する立場で執筆しています。
結論:オフィスチェアの経費は値段で3通りに分かれ耐用年数を使うのは10万円以上だけ

国税庁の減価償却の案内では、仕事で使う椅子の経費の入れ方は値段で分かれます。
| 椅子1脚の 値段 | 経費の入れ方・耐用年数を使うか |
|---|---|
| 10万円未満 | 買って使い始めた年に全額 耐用年数:使わない |
| 10万円以上 20万円未満 | 3年で3分の1ずつ(一括償却資産)も選べる 耐用年数:選び方による |
| 20万円以上 | 耐用年数(8年か15年)に分けて減価償却 耐用年数:使う |
| 青色申告の 特例 | 40万円未満なら使い始めた年に全額 (2026年4月1日以降に買ったもの。3月31日までは30万円未満) 耐用年数:使わない |
10万円未満の椅子なら耐用年数を調べる必要はないので、まず値段がどの行に入るかを見てください。
耐用年数を使うのは、白色申告で20万円以上の椅子を買ったときや、青色申告でも特例の上限を超えたとき(2026年4月1日以降は40万円以上、3月31日までに買ったものは30万円以上、年300万円の枠を超えた分)です。
耐用年数は8年か15年でフレームの材質で決まる

国税庁の耐用年数表では、椅子は「器具・備品」の中の「事務机、事務いす、キャビネット」に入ります。
| 区分 | 耐用年数 | 定額法の償却率 |
|---|---|---|
| 主として金属製のもの | 15年 | 0.067 |
| その他のもの | 8年 | 0.125 |
どちらに入るかは、国税庁の通達でフレームなど主要な構造部分の材質で判断すると決められています。
型番ごとにどちらかを断定した公式の情報はないので、迷う椅子は骨組みの材質を取扱説明書で確かめたうえで税務署か税理士に聞いてください。
耐用年数は椅子が壊れるまでの年数ではない
税の耐用年数は、椅子の値段を何年に分けて経費にするかを決めるための年数です。
椅子そのものの使える年数の目安は、日本オフィス家具協会の標準使用期間が参考になります。
- 回転椅子は8年
- 1日8時間ほど使う前提
- 数え始めは買った日ではなく、製品ができた年
税の8年と同じ数字ですが、こちらは安全に使える目安で、経費の計算には使いません。
10万円未満の椅子は使い始めた年に全額を経費にする
国税庁は、取得価額が10万円未満のものは、使い始めた年に全額を必要経費にすると案内しています。
個人事業主の場合、これは選べる方法ではなく、全額をその年の経費に入れる決まりです。
10万円の線は1脚ずつで見る
判定は1個・1組・1そろいごとで、椅子を2脚買って合計が10万円を超えても、1脚が10万円未満なら全額をその年の経費にできます。
ただし国税庁の例では、テーブルと椅子で使う応接セットは1組として判定すると書かれているので、セット品は合計で判断される場合がある点に気をつけてください。
10万円前後の椅子は税込か税抜かで結果が変わる
消費税を含めて判定するかどうかは、帳簿の付け方で決まります。
- 税込経理なら、消費税を含んだ値段で判定する
- 税抜経理なら、消費税を除いた値段で判定する
- 消費税の免税事業者は、税込経理として判定する
国税庁の例では、税込107,800円のパソコンは、税抜経理なら98,000円で10万円未満の扱いです。
10万円以上20万円未満は3年に分けて経費にできる
10万円以上20万円未満の椅子は、一括償却資産として値段の3分の1ずつを3年間の経費に入れる方法を選べます。
- 青色申告でなくても使える
- 年の途中で買っても月割りにせず、毎年3分の1ずつ
- 確定申告で、対象の金額などを書いた書類を付ける
15万円の椅子なら、毎年5万円ずつ3年で経費に入れる計算です。
耐用年数の8年や15年で割るより早く経費にできるので、白色申告の人には使いやすい方法でしょう。
青色申告なら2026年4月から40万円未満まで一度に経費にできる

一定の要件を満たす青色申告者には、少額減価償却資産の特例があります。
2026年度の税制改正で上限が上がり、2026年4月1日以降に買った40万円未満の椅子は、使い始めた年に全額を経費にできるようになりました。
- 青色申告者で、今の条文では常時使用する従業員が400人以下の個人
- 2026年4月1日以降に買ったものは10万円以上40万円未満(2026年3月31日までに買ったものは30万円未満)
- 対象は2029年3月31日までに買ったもの
- 1年間の合計300万円までが対象
- 確定申告で明細を付ける
値段と申告の方法で見る早見表
椅子1脚を仕事だけに使う個人事業主の場合、値段と申告の方法で次のように分かれます(青色申告の特例は年300万円まで)。
| 椅子の 値段 | 白色申告・青色申告 |
|---|---|
| 5万円 | 白色申告:その年に全額 青色申告:その年に全額 |
| 15万円 | 白色申告:3年で3分の1ずつ、または耐用年数で減価償却 青色申告:その年に全額も選べる |
| 25万円 | 白色申告:耐用年数で減価償却 青色申告:その年に全額 (2026年3月以前に買っても30万円未満なので対象) |
| 35万円 | 白色申告:耐用年数で減価償却 青色申告:2026年4月1日以降に買えばその年に全額。 3月31日までに買ったものは減価償却 |
耐用年数の8年か15年を使うのは、この表で「減価償却」と書いた欄に当たるときです。
耐用年数で減価償却するときの計算
個人事業主は、届け出をしていなければ定額法で計算します。
1年分の経費 = 椅子の値段 × 償却率(8年なら0.125・15年なら0.067)
年の途中から使ったときは、その金額を12で割り、使った月数をかけて計算します。
| 例 | 耐用年数 8年 | 耐用年数 15年 |
|---|---|---|
| 1月から 使った年 | 31,250円 | 16,750円 |
| 10月から 使った年 | 約7,800円 (3か月分) | 約4,200円 (3か月分) |
こうして毎年少しずつ経費に入れていき、最後は帳簿上の価値が1円になるまで続けます。
中古で買った椅子は耐用年数が短くなる
中古の椅子は、残りの使える年数を見積もるのが原則で、見積もりが難しいときは簡便法で計算できます。
簡便法では、法定の年数を過ぎた椅子は法定の年数の2割で、8年を過ぎた椅子なら8年の2割は1.6年で、端数を切り捨てると1年、2年に満たないので2年です。
| 中古の椅子 | 簡便法での 耐用年数 |
|---|---|
| 8年区分・ 製造から3年 | (8−3)+3×0.2=5.6 → 5年 |
| 8年区分・ 8年を 過ぎたもの | 8×0.2=1.6 → 2年 |
| 15年区分・ 15年を 過ぎたもの | 15×0.2=3年 |
何年使われた椅子かは、多くのメーカーが座面の裏に貼っているラベルの製造年が手がかりです(中古で失う保証の年数)。
自宅でも使う椅子は仕事の分だけが経費
国税庁は、仕事と私用を兼ねる支出のうち、経費になるのは仕事に直接必要だったと記録で区分できる分に限られると案内しています。
椅子にどの割合を当てるかを示した国税庁の例は見当たらないので、仕事で使う時間など、説明できる根拠を残しておいてください。
経費にする椅子は値段と領収書で売り場を選ぶ
椅子を経費に入れたあとで困りやすいのは、値段と買った日が分かる書類を探し直すときです。
通販で仕事用の椅子を買うなら、10万円未満で選べる型があるかと、領収書の出しやすさまで見て選ぶと、確定申告の前に慌てずに済みます。
オフィス家具通販のオフィスコムは、この2つがそろう売り場です。
- 自社ブランドのオフィスチェアに10万円未満の型があり、耐用年数を計算せずに使い始めた年の経費に入れられる(10万円未満の扱い)
- 領収書と納品書を、会員ならマイページの購入履歴からすぐ出せる
- 消費税を申告する人向けに、インボイスの登録番号を案内している
| 見る項目 | オフィスコム |
|---|---|
| 自社チェアの例 | YS-1 22,990円・RESTIVA-02 29,990円・RESTIVA-01 34,980円(税込) |
| 領収書 | 会員はマイページの購入履歴から、会員でなければ出荷メールのURLからダウンロード |
| 登録番号(消費税を申告する人向け) | インボイス対応(T1-0100-0112-5570) |
| 送料 | 1回の注文が3,300円以上なら無料(沖縄・離島、北海道・九州の一部の商品などは別途) |
| 個人宅への配送 | 配送日と時間帯は指定できない(一部の商品を除く)・再配送は1回まで・一部の商品は配送費が追加(屋号を入れると法人扱い) |
| 保証 | 1年保証のアイコンがある商品は1年(会員でログインして注文すると合計2年。上の自社チェア3型にはアイコンあり)。ヘタリ・摩耗・経年変化は対象外 |
| 請求書後払い | 法人のみ(後払いにすると領収書は出ない) |
| 返品 | サイズやイメージ違いは受けていない |
ただし、サイズやイメージ違いでの返品は受けていないので、座面の高さと奥行きは商品ページの寸法欄で確かめてから注文してください。
それでも10万円未満の型を寸法で選んでおけば、耐用年数の計算をせずに椅子代を使い始めた年の経費に入れられ、領収書もマイページから出せます。
\ 10万円未満の自社チェアも選べる /
※個人事業主は、注文フォームで「法人」にチェックを入れて屋号を入力すると法人扱いになります。![]()
オフィスチェアの耐用年数と経費でよくある質問
オフィスチェアの勘定科目は決まっていますか?
国税庁のページには科目名の指定がなく、決まっているのは「必要経費」に入れる時期と方法です。
帳簿では自分で分かる科目名を付け、毎年同じ名前を使うと整理しやすくなります(値段ごとの入れ方)。
ゲーミングチェアでも同じ扱いですか?
仕事で使う椅子なら、名前がゲーミングチェアでも値段による分かれ方は同じです。
耐用年数の8年か15年かは、フレームの材質で判断します(耐用年数の区分)。
税込11万円の椅子は10万円未満になりますか?
税抜経理なら税抜の10万円で判定するので、10万円未満にはなりません。
税込経理や免税事業者は税込の11万円で判定します(税込か税抜か)。
領収書はどこで出せますか?
何年使ったら買い替えればいいですか?
税の耐用年数は買い替えの目安ではありません。
使える年数は、日本オフィス家具協会の回転椅子8年(製品ができた年から)が目安です(使える年数)。
まとめ:耐用年数を調べる前に椅子の値段と申告の方法を見る
オフィスチェアの耐用年数は8年か15年ですが、それを使うのは10万円以上の椅子だけです。
そして青色申告なら、2026年4月1日以降に買った40万円未満の椅子は一度に経費にできます。
値段と買った日を後から確かめられるように、オフィスコムのように領収書をマイページから出せる売り場で買っておくと記帳が楽です。
\ 領収書をマイページからすぐ出せる /![]()
参考にした情報
- 国税庁 タックスアンサーNo.2100「減価償却のあらまし」(10万円未満・一括償却資産・少額減価償却資産の特例・税込と税抜・2026年9月25日確認)
- 国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」・「減価償却資産の償却率等表」(事務いすの耐用年数・定額法の償却率)
- 国税庁 耐用年数の適用等に関する取扱通達 2-7-2(「主として金属製」の判定)
- 国税庁 所得税基本通達49-39(1個・1組・1そろいごとの判定)
- 国税庁 少額の減価償却資産の取得価額の判定(Q&A)(税込107,800円の例)
- 国税庁 タックスアンサーNo.2106「定額法と定率法による減価償却」(計算式・月割り)
- 国税庁 タックスアンサーNo.5404「中古資産の耐用年数」・減価償却資産の耐用年数等に関する省令(簡便法)
- 租税特別措置法 第28条の2・財務省 令和8年度税制改正の大綱(40万円未満への引き上げ・期限)
- 国税庁 タックスアンサーNo.2210「家事関連費」(仕事と私用を兼ねるとき)
- 日本オフィス家具協会「JOIFA標準使用期間について」(回転椅子8年・数え始め)
- オフィスコム「ヘルプ・お問い合わせ」・「領収書の発行方法」・「お届けについて」・「1年間保証サービス」・「商品について(返品)」(帳票・送料・個人宅への配送・屋号・保証・返品・2026年9月27日確認)、YS-1・RESTIVA-01・RESTIVA-02の商品ページ(価格・2026年9月26日確認)
