昇降デスクを調べていると、買った人の「結局立たなくなった」という声にぶつかります。
数万円を出して、ただの重い机になったら困る、と手が止まるところです。
ただ、後悔の中身をほどいていくと、この話は半分でした。
先に結論を言うと、後悔は体に合わなかったものと、使わなくなったものの2つです。
そして前者は、注文する前に机の高さの数字だけで避けられます。
結論:後悔は体に合わなかったものと、使わなくなったものに分かれる

買った人が挙げる後悔を並べると、性質の違う2種類が混ざっています。
| 種類 | 中身 → 買う前に防げるか |
|---|---|
| 体に 合わな かった | 下げ切っても机が高い、天板が厚くて想定と違う、重くて動かせない、組み立てが終わらない → 仕様表の数字で防げる |
| 使わなく なった | 立ち作業をしなくなる、立つと足が疲れる、配線が追いつかない → 使い方と設定しだい |
ネット上の体験談は下の行に集まりますが、返品も買い替えもできないのは上の行です。
立たなくなるのは、あとから設定と習慣で取り返せます。
高さが合わない机は、買い替えるしかありません。
まずは、防げるほうからです。
後悔が起きるのは昇降範囲の上ではなく下
昇降デスクは立つために買うので、目が行くのはつい上限のほうです。
ところが実際に外れるのは、反対側でした。
はじめに、立ち作業で必要な高さのほうです。
| 身長 | 立ち作業の目安高さ | 上限123cmのE7でも |
|---|---|---|
| 155cm前後 | 約95〜98cm | 123cmまで上がる |
| 165cm前後 | 約100〜103cm | 123cmまで上がる |
| 175cm前後 | 約105〜108cm | 123cmまで上がる |
| 185cm前後 | 約110〜113cm | 123cmまで上がる |
身長185cm前後でも立ち作業の目安は約113cmで、上限123cmの機種でも10cm残ります。
上限は、どの機種を選んでも十分です。
合わなくなるとしたら下限のほうです。
そして下限は、機種によって11cm以上の開きがあります。
身長別に下げ切っても高いかを判定する

座り姿勢で必要な机の高さは、身長から計算できます。
使うのは座面高(身長×0.25)+差尺(身長÷6)という式で、複数の家具販売店が同じ形で示している式です。
この式の背景と、日本の机が720mmを推奨されるようになった経緯は高身長のオフィスチェアの記事にまとめました。
| 身長 適正高さ | モデルごとの余裕 |
|---|---|
| 150cm 適正62.5cm | E7:余裕4.5cm E7 Pro:余裕2.5cm E7 Click・E7H:1.0cm足りない EF1:7.0cm足りない |
| 155cm 適正64.6cm | E7:余裕6.6cm E7 Pro:余裕4.6cm E7 Click・E7H:余裕1.1cm EF1:4.9cm足りない |
| 160cm 適正66.7cm | E7:余裕8.7cm E7 Pro:余裕6.7cm E7 Click・E7H:余裕3.2cm EF1:2.8cm足りない |
| 165cm 適正68.8cm | E7:余裕10.8cm E7 Pro:余裕8.8cm E7 Click・E7H:余裕5.3cm EF1:0.7cm足りない |
| 170cm 適正70.8cm | E7:余裕12.8cm E7 Pro:余裕10.8cm E7 Click・E7H:余裕7.3cm EF1:余裕1.3cm |
フレームの下限だけで見れば、身長170cmまで来ればどの機種でも下がります。
ただし170cmでのEF1の余裕は1.3cmしかなく、天板の厚みを足せば消える差です。
引っかかるのは150cm台から160cm台で、ここは機種の名前ではなく下限の数字で決まります。
下限が70cm近くで止まる機種もある
表のEF1は下限が69.5cmで、E7より11.5cm高いところで止まります。
身長165cm前後までの人は、この机では座り姿勢の適正高さまで下げられません。
計算のうえでは、EF1を下げ切れるのは身長167cm前後からです。
椅子の側で身長に合わせる話は低身長向けオフィスチェアの記事にまとめました。
実際の机の高さは仕様表の数字どおりにならない

ここまでの下限は、脚フレームの数字です。
フレーム単体で買う場合、天板は自分で選びます。
| 天板の種類 | 厚み |
|---|---|
| メラミン化粧板 | 2.5cm |
| 中密度繊維板(MDF) | 2.5cm |
| ウォールナットのMDF | 2.6cm |
| 集成材・無垢材 | 3.3cm |
| 対応天板の条件 | 厚み2cm以上 |
無垢材はメラミン化粧板より0.8cm厚い板です。
公式アクセサリーにはネジ式キャスターもあり、付ければ床からの高さが変わります。
下限の余裕が1cm前後しかない身長帯では、天板の選び方だけで判定がひっくり返ります。
フレーム単体で買うなら、注文前にその機種の下限に天板の厚みをどう見るか販売店へ確かめてください。
セット販売なら、この計算は商品ページ側で済んだ状態です。
天板のサイズは後から替えにくい
もうひとつ、買ったあとに動かせないのが天板の大きさです。
脚フレームごとに、載せられる天板の範囲が決まっています。
| モデル | 載せられる天板の幅 | 奥行き |
|---|---|---|
| E7 | 120〜200cm | 60〜80cm |
| E7 Pro | 120〜200cm | 60〜80cm |
| E7H | 120〜200cm | 60〜80cm |
| E7 Click | 120〜140cm | 60〜70cm |
| EF1 | 未記載 | 未記載 |
組立が10分で済むE7 Clickは、載せられる天板が幅140cm・奥行70cmまでです。
将来モニターを増やして幅160cmの天板へ替えたくなっても、この脚のままでは載せられません。
逆に広ければよいわけでもなく、幅が増えるほど部屋の専有面積も増えます。
部屋の寸法から逆に決めるなら、公式が用意している天板は100×60cm、120×60cm、140×70cm、160×70cmの4サイズです。
重さと組み立ては実数で見ておく

「重い」「組み立てが大変」は後悔の定番ですが、数字で見ると身構え方が変わります。
| モデル | フレーム単体 の重量 | 組立時間の 目安 |
|---|---|---|
| E7 | 32.3kg | 約0.5〜1時間 |
| E7 Pro | 約33.6kg | 未記載 |
| E7H | 約34.9kg | 未記載 |
| E7 Click | 未記載 | 約10分 |
| EF1 | 未記載 | 未記載 |
32.3kgは天板を含まない数字で、ここに天板の重さが加わります。
模様替えのたびに動かす前提なら、この重さと、電動昇降デスクが壊れる記事に並べた保証が消える4条件を先に知っておくほうが安全です。
組立時間は機種差が大きく、公式ブログはE7を約0.5〜1時間、専用のロック機構を持つE7 Clickを約10分と案内しています。
立たなくなるのは机ではなく習慣の側にある
ここからが、後悔のもう半分です。
ボタンを押せば動く机でも、押す理由がなければ高さは固定されたまま動きません。
FlexiSpotは自社ブログで、1〜2時間ごとに15〜30分ほど立ち作業を入れる使い方をすすめています。
- メモリー機能に座り用と立ち用の高さを登録しておく。押す前に迷う時間がなくなる
- 登録できる数が多い機種なら、休憩用の高さを3つ目に入れておく
- 配線を立ち姿勢の高さで整える。上げたときに引っ張られると、それだけで立たなくなる
高さを毎回つくり直す手間が残っていると、立つ回数はそのぶん減ります。
立ちっぱなしを前提にすると続かない
もうひとつ多いのが、立ってみたら足がつらくて戻した、という声です。
FlexiSpotがすすめているのも1日中立つ使い方ではなく、1〜2時間ごとに15〜30分という切り替え方でした。
座る時間をなくす道具ではなく、姿勢を変える回数を増やす道具だと考えると、外しにくくなります。
「立ち作業に切り替えたら生産性が上がる」という期待で買うと、期待のほうが先に折れます。
健康にどう関わるかは体質や作業内容で変わるので、ここでは触れません。
揺れと音と配線は使う条件で評価が変わる

口コミで割れるのがこの3つです。
同じ机でも、天板の幅・床・高さ・載せている機材が違えば感じ方が変わります。
| 項目 | 感じ方が変わる条件 | 自分で確かめること |
|---|---|---|
| 揺れ | 座り姿勢か立ち姿勢か、キャスターを付けているか、天板の幅 | 立ち姿勢で使う予定なら、その高さでの話を読む |
| 音 | 公称の静音値と、部屋の広さ・時間帯 | 会議中に動かすかどうかで必要な静かさが変わる |
| 配線 | 床のコンセント位置と、上げたときの余り丈 | 上げ切った位置で長さを確かめる |
この3つを製品ごとにどう見るかは、COFOデスクの記事で条件の分け方を整理しました。
搬入経路と設置後のスペースも、同じ記事の確認項目がそのまま使えます。
後悔しやすい人と、買って合う人

ここまでの数字を、人の側へ当て直します。
- 身長175cm以上。天板の厚みを足しても、どの機種でも座り姿勢まで下げ切れる
- 1日6時間以上そのデスクにいて、姿勢を変えたい理由がはっきりしている
- 置く場所が決まっていて、買ったあと動かす予定がない
一方で、先に条件を決めてから注文したほうがよい人もいます。
- 身長165cm前後まで。機種によっては座り姿勢まで下がらない
- フレーム単体で買って天板を自分で選ぶ。厚みのぶん高くなる
- 引っ越しや模様替えの予定がある。30kg超をひとりで運ぶ場面が出る
下の枠に当てはまっても、下限の低い機種を選べば条件は消えます。
昇降デスクの後悔についてよくある質問
身長155cmですが、昇降デスクはやめたほうがいいですか?
やめる必要はありませんが、下限の数字で機種を絞ってください。
身長155cmの座り作業の適正高さは64.6cmで、下限58cmの機種なら6.6cmの余裕があります。
下限63.5cmの機種だと余裕は1.1cmしかなく、天板の厚みしだいで足りなくなります。
昇降範囲は広ければ広いほどいいですか?
広さより、下限が自分の適正高さを下回っているかどうかです。
立ち作業の目安は身長185cm前後でも約110〜113cmなので、上限はどの機種でも余ります。
同じ幅の昇降範囲でも下限が5cm高い機種は合う人がその分狭くなるので、E7とE8の違いの記事では2cm差が効く身長まで出しました。
結局立たなくなるという話は本当ですか?
そうなる人はいますが、机の性能の話ではありません。
高さを毎回つくり直す手間が残っていると立つ回数は減るので、メモリー機能へ座り用と立ち用を登録しておいてください。
配線を立ち姿勢の高さで整えておく手当ても、同じくらい大きいです。
フレームだけ買って天板を自分で用意しても大丈夫ですか?
対応天板の条件を満たせば選べます。
FlexiSpotの場合は厚み2cm以上が条件で、公式天板は2.5cmから3.3cmまで幅があります。
下限の余裕が少ない身長帯では、厚い天板を選ぶと判定が変わるので先に決めてください。
組み立てはひとりでできますか?
機種によって手間が大きく違います。
公式ブログではE7の組立時間を約0.5〜1時間、専用ロック機構のE7 Clickを約10分としています。
フレーム単体で32.3kgあるので、天板を載せる工程だけでも人手があると安全です。
まとめ:座り姿勢の適正高さを先に出してから機種を選ぶ
昇降デスクの後悔は、体に合わなかったものと、使わなくなったものに分かれます。
後者は設定と習慣で取り返せますが、前者は買い替えるまで戻せません。
そして合わなくなるのは上限ではなく下限のほうです。
- 自分の座り作業の適正高さ(身長×0.25+身長÷6)
- 候補にしている機種の下限と、載せる天板の厚み
この2つを引き算して余裕が残れば、あとは使い方の話で、FlexiSpotから選ぶなら値引きの回の見方をFlexiSpotのセールの記事にまとめました。
判定表で名前を出した4つのうち、オフィス家具通販のKagg.jpに置いてあるのはE7Hだけで、E7とE7 Pro、E7 Click、EF1は扱っていません。
それでも下限で決めたいなら、こちらは商品ページの「サイズ」欄が「高さ:600〜1250mm」のように下限から書かれているので、上の表とそのまま突き合わせられます。
天板の幅と厚みはセットごとに違うので、そこも同じ画面で見ておきます。
\ 下限がmmで出ている売り場で見る /
※本記事には広告・プロモーションが含まれます(価格・在庫はリンク先の最新表示をご確認ください)。
Kagg.jp側の納期と配送の癖はKagg.jpの評判の記事に書きました。
参考にした情報
- FlexiSpot公式ストア「電動昇降デスクE7シリーズ モデル比較」(2026年9月16日確認)
- FlexiSpot公式ストア「昇降デスクご購入ガイド」天板一覧・脚フレーム仕様(2026年9月16日確認)
- FlexiSpot公式ブログ「E7 ClickはE7とここが違う」立ち作業の目安高さ・組立時間(2026年9月16日確認)
- 一般社団法人 日本オフィス家具協会「安全・快適なデスクの選び方」(2026年9月16日確認)
- Kagg.jp「オフィスデスク 昇降デスク」カテゴリと、オカムラ REGAS・FlexiSpot E8・E7Hの各商品ページ(取り扱い型番・仕様欄の高さ表記・絞り込み項目/2026年9月18日確認)
